*PBMを遊ぶ人のゲームメモ。架空世界の話メイン。
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プラなリア。
2010-03-05 Fri 20:00
 ご無沙汰してスミマセン。

 snさんちのお嬢さんをお借りして、日常話なプラリアです。
 内輪向けと言うか、自分だけが楽しいプラリアで恐縮な気配。先日、snさんのブログにアップして頂いたクリスマスのお話、とは 全くリンクしてない所が味噌で醤油かも知れません ← 何 が ど う 。

 そう言えばまだ うちのロシア人PCの紹介をちゃんとしてないような気がしてきました・・・(わぁ)。・・・、えっと、その、そのうち に ・・・。

 折りたたみ先にプラリアです。はい。


***

 弟が、居る。
 戦場において命を預けあった間柄である所のシーニー・B・ガルボイ(-・ぼるどびっち・-)の兄弟構成を、花鳳仙(か・ほうせん)はその日初めて知った。
「初めて知りました」
 鳳仙は言う。
「じゃあ、お兄さんなんですね。隊長」
 なるほどと言う色を匂わせた鳳仙に対し、シーニーは僅かに小首を傾げる。曰く、「兄と言う事になっている」らしい。双子だと言うのだ。
 ――双子。
 この2メートルを越える長身の、アッシュブロンドをしたロシア人と同じ――似た姿の男がもう一人居ると言うことか。
 言葉の意味を理解したあとも、鳳仙の中でイメージが具体的な像を描かない。シーニー一人でも目を引くのに、同じ姿かたちの男性がもう一人居る、と言うのはどんな感じなのだろう。
 思いながら瞬く鳳仙の、彼女にしては無遠慮な類の、つまり、感情を繕わないそのままの――二十歳を越えたばかりの少女らしい好奇心が、傷だらけの顔に浮かんだのを見て、シーニーはどこか嬉しそうに苦笑した。
「どちらにしろ、兄さんなんて呼ばれる年でもないですよ」
「兄弟は兄弟ですよ――ね、写真とか無いんですか、隊長」
 彼らは遅い昼食を終え、駅に向かう途中だ。
 たどり着けばまたそれぞれの任務に戻る。その、ほんの僅かの間。
「・・・、そうですね」
 ふむ、と、シーニーは唸った。
「無い事は無いですが、最近のものはありません」
 シーニーが胸元から定期入れを取り出す。実際その中に入っているのは定期券ではなく、鉄道会社のICカードなのだろう。便利な世の中になりましたねとシーニーは言ったが、鳳仙にしたらその形状はそれほど珍しいものではない。
 ただ、几帳面にケースに入れて持ち歩く所が、どこか彼らしいと思った。
「双子の中年男が並んでる写真なんて誰も見たがらないでしょう」
 特に大きな感情の揺れもなく、シーニーは言った。
 鳳仙は、彼に気付かれないように瞬く。瞬いて、ほんの少し過去を見る。
 写真。
 傷を負い、家族を失った今と昔では、持つ意味が全く違う紙切れの総称。命にも代えがたい宝物でもあり、破り捨てられない厄介なお荷物であり、どうでもいい只のゴミだったりもする。
 その意味を振り返り見て、僅かな眩暈を覚える。
 ――それでも。
「そんなこと無いです、見たいです」
 何にムキになっているのか分からないまま、鳳仙は言う。だって面白そうだもの、と、冗談めかして言うと、シーニーはそうですねと言って笑った。
「見ますか」
「え」
 すっと巨人が差し出したのは、緑と白のカードに可愛らしいペンギンが付いたICカード。の、入ったケース。
 それをくるりと裏返すと、古びた厚紙が一枚、角が折れるのもそのままに、無造作に差し込まれていた。それを大きな手が器用に押し出す。中から出てきたのは、一枚の、
「・・・かわいい・・・」
 古びた写真。
 小学校入学前くらいだろうか、幼い男の子がふたり、ちょこんと並んで写っている。お仕着せらしいきちりとした服装も、一方が一方を頼るようにして握られた手も、何もかも可愛らしかった。
 くるりと巻いた淡い色の髪がそういう印象を与えるのだろうか。それとも大きな瞳だろうか。まじまじと写真を眺めるうち、「双子」だと言ったシーニーの言葉と、写真の中の二人とがようやく結びつく。少年達は表情の違いこそあれ、そっくりと同じ顔をしていた。
 つまり。
 鳳仙は赤い爪で、写真の中の二人を交互に指差した。
「・・・、たいちょ、う・・・?」
 こくり。
 シーニーが頷くと、後ろで一つに結わえられた髪がふわり揺れた。
「正解です」
「・・・、じゃあ、弟・・・さん?」
「はい」
 確か五つか六つの頃だったと思います、と、シーニーは言った。
「かわいい・・・」
「・・・不思議なものを見る目ですね」
「だって、隊長」
 ――今はそんなに、眉間に皺を入れて。
 そう言おうとして鳳仙は口を閉じた。過去と変わってしまったものの話になれば自然、自分のことを考えずには居られない。
 くしゃりと表情が歪む前に話題を変えようとした鳳仙の頭を、大きな手がぽんと撫でた。
「・・・、気をつけるんだよ」
 何を、と尋ねようとした鳳仙の視界に、駅の改札が映る。
 あ、そうか。もうさよならの時間なのだ。
「はい。隊長も」
 言って微笑もうとして。
 シーニーの指が器用に写真を収めるのを見て、うっかりと噴出す。そんなに笑わなくても、と言うシーニーも、どこか楽しそうに見えた。
 てきぱきした動作で財布を取り出す鳳仙を優しい目で見ている。
 こんな時、どこか父親に見守られているような思いが、鳳仙の中によぎる。シーニーの中にも、恐らく似たような感情があるのだろう。
「・・・、いってらっしゃい」
 穏やかな声が、降った。

***
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