*PBMを遊ぶ人のゲームメモ。架空世界の話メイン。
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Private Reaction
2006-08-24 Thu 02:49
 先日の日記でもちらりと書いた、プラリアが完成しました。
 秋月さんちのお嬢さんをお借りいたしまして、掲載許可を頂いたのでぺたりと。
 ぺたりと。←嬉しいらしい
 気付けばあちこち(いろんな意味で)分かりにくいプラリアに……あわわ。すみません。

 ゲームが始まる前から、気が早いなぁとも思うのですが、長い学園生活で、こういうことも在ったかも知れない、などと考えるのは、なかなか楽しかったです。
 彼らの学園生活に、幸多からんことを。

 プラリアにご興味がある場合は「続を読む」をクリック、
 人のPCの個人的な話になんか興味ないよ、って方はそのままブラウザを閉じるとか別のリンクに飛ぶとかで回避して下さい。

 禁:無断転載。です。念のため。

 ウイッス(礼)。
第0回プライベートリアクション
No.P×OXXO0 担当:Sie

「運命のように」

(このプライベートリアクションは、以下の行動選択肢を選ばれた方の全てに送られています)

■プラリアを読む
――――――――
 やさしさなんてコトバくらい――曖昧なモンあらへん


 確か、4月。
 腕密月(かいな・みつづき)が、久世悠(くぜ・はる)という少女に出会ったのは、桜の舞い散る季節のことだった。
 思い返して、腕は思う。
 ――確か、中学の、2年になったばかりのころ。

 それは、ふとした切っ掛けだった。

 養護教諭の不在に、ほんの少しの偶然と時間――そう、留守を守っただけの自分と、「彼女」が出会うのに要した時間は本当に短かったし、それがどれほどの偶然が重なり合う、奇跡と呼んで良い瞬間であっても、日常はそうして流れていくのだし、自分達はそうした「奇跡」を感受し、見逃し、あふれさせて生きている。
 だから、あれは特別なことではないのだ。

 だから今、自分が絆創膏を手に彼女の教室を目指していることも、「特別なこと」ではない。
 知らず、そう言い聞かせる。

 出会ったら、渡そう。
 出会わなかったら、忘れよう。
 ――これは恋ではない。

 彼女が「持つ」ものは、何処か懐かしく、平凡なセルフレームの黒メガネが「不思議に」似合っていた。
 何を不思議に思ったかは分からない。
 だが、そう思った。

 ――あの時、彼女が負った傷は、そう深いものではなく、軽い消毒と手当ては、保険委員会に所属して以来経験した中でも、さほど難しくない部類に入る。
 細くて小さな、女の子の手。

「大丈夫。浅いよ。
 跡は残らないから、安心して」

 手元ばかり見ていたので、そう告げて見上げたときに、彼女が持つ清楚な印象には、ようやく気付いて。
 薄いガラスの向こうにある瞳に、

 ああ、
 この娘は踏み込まない、と。

 水槽を眺める無垢な少女のように、世界の向こう側としてこちらを見ている。
 決して、こちらを踏み荒らしに来る人間ではない。

 そんな安堵が、一方的に沸いた。
 身勝手な印象、身勝手な解釈。
 それでも、密月の胸の内から「何か」を取り去るのに、それは酷く有効だった。

 交わした短い会話で、花壇の世話を手伝ううち、草刈で指を傷つけたのだということ。
 彼女が所属する団体とは関係無い仕事であること。
 そんなことが分かったから、こちらは一応、本職の保健委員であること、彼女の校舎から近い、手当てを受けられる場所のことなんかを伝える。
 小さく頷く彼女に。
 なぜそんなことを言ったのか、自分にも分からない。

 ――廊下を歩きながら、ポケットを探る。

「やさしい、ね」

 ――缶に入った絆創膏。からり、という硬い音。

 戸惑う彼女の顔。

 これは恋ではない。
 感じるのは懐かしさ。
 自分とは違う、違うけれど、違うから。

 暫く躊躇ったあと、「先輩は」と、小さく尋ねられた。
「関西の方ですか?」と。

 自分の言いたいことも、たぶん、あの一言ではなかった。
 彼女の疑問も、たぶん、もっと別のことだったと思う。

 彼女も口にしたかったであろう「何故?」というコトバ。
 尋ねると、わずかな逡巡のあと、
「イントネーションが」と、ちいさく、少しだけ微笑んで、答えてくれた。何が可笑しかったか、それは分からないけれど。

「……そない訛っとる?」
 問いに浮かんだ笑みが、戸惑うようで、同じくらい優しくて。家に残してきた妹を思い出して、心に引っかかって。

 ――渡そうと買った缶入りの絆創膏に、
 イチゴの飴をひとつ入れた。

 ただ、そうしたかった。

 笑ってくれたから。
 踏み込まない、やさしいひとだから。

 ――じぶんとおなじ、匂いがするから。

 出会ったら、渡そう。
 出会わなかったら、忘れよう。

 いくらここに集まる人間に、それぞれの『前』があることが共通しているからとは言え、自分の感じている『共感』は、自分の、至極一方的なものだ。

 ――やさしさなんてコトバくらい
 ――曖昧なモンあらへん

 密月は思う。自分が受けた印象も、これからしようとしていることも、優しさだと定義づけることは、きっと難しいことだろうと、胸のうちで思う。

 酷く曖昧で。
 だからこそ、捕まえてみたくなるのかもしれない、と、心の隅のほうで考える。

 口の中にも、飴玉がひとつ。
 心の中にも、飴玉がひとつ。
 イチゴの味が広がってゆく。

 その、定義に於いては曖昧なつながりは、随分と長いものになるのだけれど、始まりは本当に小さな切っ掛けであったと、覚えているのは2人だけ。

 丸いものは転がる。
 飴玉のように、運命のように。

 それがやさしさであるように願って、腕は目を閉じた。

***
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no.1:裏リア。
タイトルはファイル名。しえさんの書かれたプラリア(運命のように)のハルVer.の意。よってそちらをご覧になってから、追記の裏話へどうぞです。 …
2006-08-27 Sun 11:53 月下帳
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