*PBMを遊ぶ人のゲームメモ。架空世界の話メイン。
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And to...
2007-08-07 Tue 17:29
 最終回を向かえ、夏合わせの入稿を終えて、ちょいくら放心しています。Sieです。
 頂いたメールのお返事もちまちまと。
 リア交換してくださったみなさま、交流してくださったみなさま、本当に有難う御座いました。そうそう、トリモチ入りパイを提供してくださったペコ学さんにも感謝です。お陰で窒息死せずに済みました……!

 最終回、絆は上がったのですが、運命のLVはひとつも上がらなかったので(チェックはしてあった)、最終的に、過去に頼らず、現世の思いだけで戦ったと考えるのが正しいかな、と思ってみたり。

 上原マスターは簡単に死亡判定を出さないマスターだと思っているので、こう、最終回、重症を負ったとしても、PCが死亡することは無いかも知れない、とは感じていたんですけど、実際にリアを読むまでは、自PCは無事でもNPCが無事じゃない可能性だとかを考えて戦々恐々でした……ぷるぷる。
 それぞれの想いがあるだろうと思うと、手放しで喜べることばかりではないのですが――それぞれの――これからの幸せを祈ります。

 と、

 折りたたんで後日談的プラリアを一本。
 密視点、北斗くんを無断借用です(す、すみません)。
 
 
 
***
「これで全部だったよな、密月先輩」
 夕日を背に浴びながら、月見里北斗(やまなし・ほくと)が声をかける。
 片手には手提げ袋。
 片手には紙袋を抱えて、北斗は少し寂しげに、でも優しく微笑んだ。オレンジの夕日が、その白い肌を染める。
「うん、おおきに」
 答えた金髪の少年――腕密月(かいな・みつづき)は、本屋の紙袋を抱えて、嬉しそうに目を細めた。微笑む瞳は、夕日に照らされても瑞々しい翠を保っている。
「ちょっとごめん、先に連絡してかめへんかな。思うてたより、少し遅うなってもうたから」
「宵――」
 闇館、と、言いかけて、北斗は言葉を切る。
 密月の用事は、特設校に宛てたものではない。
「雨宮先生ですか」
「うん」
「いいですよ。心配してるといけないし」
 安心させてあげるといいと言う北斗に、密月は又、嬉しそうに微笑む。
「おおきに」
 密月の携帯電話は、最近新しくなった。
 今まではメールの返信にも随分と時間をかけていたようだが、ここ暫くで、彼の電話は、本来の携帯電話に相応しい活躍をさせて貰っているように、北斗の目からも見えた。
 おそらく、頻繁に連絡を取っているのだろう。雨宮と。
 好きこそ物の上手なれ、とはよく言ったものだが、その行為自体が好きでなくても、それが結果、好きな相手のためになるのならば、上達も自然と早くなるのだろう。ありとあらゆることにおいて、密月は優秀な生徒であるように思えた。
 ガードレールの横、少しだけ荷物を持ち替えて、北斗は密月を待つ。
「ごめんな、北斗はん。直ぐ終わるから――あ、譲はん?」
 申し訳無さそうに視線を向けた密月に、『気にしないで』と、北斗は微笑む。そうこうしているうちに、密月の表情は、すぐさま柔らかく、幸福を絵に描いた様にとろけた。
(……分かりやすいなぁ)
 同時に、幸せそうだ、とも思う。
 数ヶ月前、火の付いたように泣き、抜け殻のようにうなだれていたのと同じ人間だとは思えないほど生き生きと、密月が微笑んでいる。
 全てを、守れたわけではなかった。けれど。
 今、目の前で、大切な仲間がこうして微笑んでくれていることは、北斗の胸をも暖かく染めた。丁度、あの夕日のように。
「――へえ、もうじき帰れますよって――うん、大丈夫」
 頼まれたものを確認した後、密月が言い添える。
「他に何か、必要な物おへん? ……え」
 かしげた小首が、不意に止まるのを、北斗は見た。
「……うち?」
 密月の頬が、夕日のせいでなく染まる。
「……譲はん、それ、もう、譲はんのもんやんか……」
 夕方。
 商店街のざわめき、車のクラクション。
 そんなものを飛び越えて、北斗の耳に、それ以上に電話の向こうに届いたであろう小さな声に――混じっているものは、きっと、幸せと呼ばれるもの。
(ごちそうさま)
 電話の向こう、受け取る雨宮にとっては、この世のどんな食卓に登る食材よりも美味なるものを。
 思って北斗は、また少し笑った。
***
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