*PBMを遊ぶ人のゲームメモ。架空世界の話メイン。
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Flower language-5
2007-05-18 Fri 00:54
 沢山の拍手有難う御座います。メッセージも拝読しております(ぽ)。
 花言葉プラリア、5回目。
 OZ学繋がりで、ヒカリ・窓無さんをお借りしています。
 
 
 
Winter daphne
***
 声をかけたのは、彼女が困っているように見えたからだ。
 僅かに躊躇したのは、彼女が一生懸命で――『自分の力』で戦っているように見えたから。けれど、結局見過ごすことも出来ず、腕密月(かいな・みつづき)は一歩前に出た。
「大丈夫?」
「きゃっ」
 なるべく優しく。
 そう努めたはずの声は、華奢な少女を驚かせるに十分だったのかも知れない。
「ご、ごめんなさい」
 膝まであるだろうか。清楚に長く伸びた黒髪は、神秘に近い気配を感じさせた。見たことのある学生服は、しかし、どこの特設校だったか、直ぐに思い出せなかった。両手に一杯の紙袋。中身は――
「それ、……紙?」
「は、はい。資料で」
「半分貸して」
「あ」
 躊躇うものの、怯えて逃げ出すほどの恐怖ではない、だろうと判断して、密月は手を出す。おっかなびっくり、何か言葉を紡ごうとしている少女から、大きいほうの包みを受け取った。今度こそ驚かさないように、柔らかく――優しく微笑んで、言う。
「重いやろ。手伝うよ」
「あの、これ……その」
「どこまで運んだらいいかな」
「二階の、準備室まで、です」
「うん、分かった」
 くるりと踵を返す密月の、半歩以上後ろを、少女はついてくる。
 ひよこみたいだなぁ――
 そう想うと、なんだか微笑ましかった。
「……これ……」
「うん?」
「クラスメイトが、沢山運ばなきゃいけない、って、困っていて。だからわたし、手伝うわ、って言ったんです。役に立ちたかったから」
「うん」
「でもやっぱり、わたし一人じゃ……」
「あ、ええっと」
 しゅん、と、うなだれるように小さくなる語尾に、密月が振り返る。
「じゃあ、こういうのどうかな」
「?」
「誰かを助けたい、って想うた君を、私も助けたい、って想った。そういうのじゃ、ダメかな」
「……」
「悪いことじゃないと思うんやけど、アカンやろか」
「……はい、え、えと」
 長い髪には、きらりと光るビーズのアクセサリーが付いている。品の良い光。
 きゅっと顔をあげて。
「ありが、とう、ございます」
 はにかんだ少女は、ヒカリ・窓無(―・まどなし)と名乗った。

 もうじき、沈丁花の香る、春。

***
 沈丁花
 花言葉「優しさ」「おとなしさ」
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