*PBMを遊ぶ人のゲームメモ。架空世界の話メイン。
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Private Reaction
2007-03-08 Thu 04:40
 アクション公開企画[ActionMind]さんに参加させていただいています。今日、6ターン分が到着しました。ヒィ。
 何が怖いって、この、不意に10年前の原稿が出てきたかのような羞恥が怖い!(笑)着々と、リア発想日が近づいてるってコトですね。おなかのつなぎに、プラリアを書きました(段々通し番号が怪しくなってきました。多分、この辺の数字で合っている……ハズ/汗)。
 犬王ジョウさんと、密月のプラリアです。

 お口に合う方は、続きをどうぞ(苦手な方の為に折りたたんであります)。

***
第?回プライベートリアクション
No.P×OXX36 担当:Sie
「お祭りのように」
(このプライベートリアクションは、以下の行動選択肢を選ばれた方の全てに送られています)

■プラリアを読む

――――――――
 冬来たりなば
 春遠からじ

 冬が、来た。輪契者たちの八十神は、広いようでいて狭い。
「せんぱーい!」
 だからその日、犬王ジョウ(いぬおう・―)と腕密月(かいな・みつづき)が出会ったのも、さほど珍しい事では無いように見えた。
 したがって二人が交わした会話も何時も通り――ジョウが三つ四つ話すうちに密月が一つ二つ頷き、密月が三つ四つ頷くうちに、話しは空の彼方に飛んでいるといった具合に「何時も通り」だった。
「元気やね、犬王はん」
「あ、今馬鹿は風邪ひかないとか思っただろ、先輩。先輩こそ首元寒そうだぜ。大丈夫なのか?どんな天気でも風強くても、マフラーとか使ってるの見た事無いけど」
「あ、ああ、そうやねぇ」
 見てるこっちが寒そうだと矢継ぎ早に言うジョウに、密月は微笑む。
「ネクタイが駄目だって話してたのは覚えてるけど、マフラーまで駄目なんだ。先輩」
 こくん、と、密月が頷く。
 標準制服をきちんと、一番上のボタンまで止めてある喉は、しかしそれ以上の防御を持たない。
「京都ってコッチよか寒いから平気とか?」
 ジョウが小首を傾げる。彼女なりの筋道がそこにはあるらしいが、そも出身地を間違えたまま記憶している。どこから突っ込んだものか迷いつつも、密月は答えた。
「京都も寒いって聞きますけど、私の出身は新潟ですよ、犬王はん」
「へー」
 何処に納得したのか、むしろ右から左と言った風情のジョウを、やれやれ、と見て。
「でも先輩、それ関西弁だろ?」
「……まぁ、こっちに来て、地元より寒いと感じた事はありませんけど――」
 口調のことは軽く流して。
 密月は少し考えた。
「もっと寒い所に住んで居たかも知れない、って、思うこともありますよ」
 道なりに。
「前世で、ッてコト?」
 駆け出し振り返りながら歩いていたジョウか、くるりと踵を返し、密月を見る。
「……前の……」
 密月は、笑った。
 正しくは、笑おうとした。
「古い前世の記憶になると、ずいぶん曖昧やから」
 気持ちの問題かも知れない、と、密月は言う。
 その時、どんな状況だったか。重要なのは、土地の気温では無いかも知れない、と。
 確かにそうかも知れない、と、ジョウは思う。思う、が。
「それに引きずられて、今まで寒くなるこたないと思うぜ、俺」
 考えて考えて――けれど反射的に、ジョウは喋った。密月が柔らかく、けれど淋しいそうに笑うから、さらに続けた。前世に引きずられて――今まで。現世まで。引きずられるのは。
 ジョウの頭の片隅に。
 チカリと何かが点りそうになる。それを力強くかき消したくて――ジョウは早口になった。
「けどさ、ホラ、すぐにあったかくなるだろ。正月だって直ぐだし、それも七日過ぎれば直ぐに終わっちゃうし、商店街だってバレンタイン一色になるし、2月も、あーそうだ、その前に新学期だって直ぐだぜ」
 密月の目が、柔らかく細められる。
「そうやね」
「うん」
 風が冷たい。
「そういえば」
 密月の口調がいやに真面目だったので、先ほどの前世の話が繰り出されるのだろうか――だとしたら、ひょっとして重い話だろうか、と、ジョウが身構える。だいじょうぶ。きっと今度は励ましてみせる。

「バレンタインって、何週間続くのん?」

「……」

 今、何か訊かれた。
 ジョウに解ったのはそれだけだった。

「……は? 今、密月先輩、何て言った?」
 今度は密月が戸惑う番だ。
「え? ……っと」
 そんなおかしな事を聞いただろうか、という顔だ。ジョウは何処かに叩き落された気分で、その顔を見つめ返す。
「バレンタインって、日本に初めてチョコレートが輸入されたことを祝うお祭りだって聞い、……犬王、はん? なんか固まってへん?」

「……誰だっ……」

「は?」

「誰だそんなこと先輩に吹き込んだのぉおおおーーーッ?!」

「へ」

「っていうか信じるな!
 先輩も信じるな!
 バレンタインはセイジンの名前! らしい! でもその前にここ日本じゃあレデェの一大イベントだろ! ああああもう信じられねえ……ッ!!!! 責任者出てこーい?!」

「いいい 犬王はん?」

 その後、密月の身に巻き起こっていたバレンタインが、かつて通り過ぎた2月14日がどんなに悲惨だったか――主に、彼にチョコレートを渡したかった女子にとって悲惨なものだったか――思いの丈を注ぎ込んだチョコレートを、『何故プレゼントを贈られるのか解らない』と断られた(と、思い込んだであろう)乙女に向って合掌が送られるのだが、それはまた別の話。
 密月自身が色々とへこんでいた事も、それもまた別の話。

 春はまだ、ほんの少しだけ、遠い。
***
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