*PBMを遊ぶ人のゲームメモ。架空世界の話メイン。
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Private Reaction“s”-5
2006-12-01 Fri 00:15
 甘利はるきさまのお題サイト、[リライト]さんから、お題をお借りし、それに沿って散文的プラリアを書く、という企画の続きです。ヘビースモーカー5題、最終回です。

 ……

 なかなか浮かばなかったのですが、追加PC・穂積あまねで書いてみました。ら。

 4回目をすっとばしてしまいましたよ……!!!

 4本目のお題がまだ未消化でした! あわわ。

 アクション――が、結構その、チャレンジャーだったので、リアが来たら公開する勇気がなくなるかも知れぬ、と判断しまして(どんな判断だよ、っていうかどんなアクションかけたんだよ)、こっそりと。

 ご興味がございましたら、続き(プラリア本文)へどうぞ。男が一人でゴロゴロしてるだけです(汗)。
■「身体に染み付いた匂い 」

 目覚めはいつも、違う匂いを連れてくる。
 布団に突っ伏すように眠ってしまったその日の朝、穂積あまね(ほづみ・―)の嗅覚を一番にくすぐったのは、彼自身の寝具に染み付いた、自分の匂い。住み慣れた、巣の匂い。体臭。
 万年床にしているわけではないし、むしろ住居の清潔は保っている方だが、秋冬は夏ほど布団が干せない。
 太陽の光を吸い込んだあの匂いは、たぶん、来年までお預けになるのだろう。
「……あー」
 カーテンを閉め忘れた、と、窓の外、明るさに気づいて思う。起き上がり、シャッと音を立て、それを閉じる。閉じた世界。目を閉じて思う。違う。この、八十神自体が、『閉じた』世界だ。

 いつものように、しかし久しぶりに、自室のベッドで眠った気がする。

 昨日、一昨日は、さて、どこで誰と眠ったんだっけ。
「いて」
 口の端が切れている。
「……なかなか治らねーな、コレ」
 洗面所で一通りの日課をこなし、頬の傷に判創膏を貼る。
 その痛みを与えた相手から、ぶつけられた怒り。連鎖的に、遠い昔を思い出す。
 蹴られた。殴られた。誰に? どんなふうに? ――それは、『覚えていない』。それが自分の父親だったなんて、そんなこと。『覚えていない』。

 水で洗った頬が、まだ少し冷たい。

 何かを、忘れてしまった気持ちが湧き上がる。

 何かを忘れてしまったのに、余計なことは覚えている。

 立ち上がって、クローゼットを開ける。そこには、幾つもの美しい瓶が並んでいた。
 色とりどりの香水瓶。
 そのなかのひとつ、淡いモスグリーンの瓶だけが僅かに減っている以外、瓶の中身に使われた様子は無い。ただ、中身を湛えて、瓶はそこに並んでいる。

(……増えた、な)

 指先で触れる。冷たい硝子。
 薬品のように瓶が並ぶさまは、魔女と称された遠い過去を、おぼろげに浮かび上がらせる。意味の無い硝子の並びは、しかし、不思議な安定を、あまねに与えた。
 使うでも、調合するでもない、その――魔法のような液体。
 瓶の大きさは様々で、色も商品名も様々だった。

 その中をぐるりと見渡して。

 その中のひとつ、POISONと描かれた、小豆色の丸い瓶を手に取ると、あまねはその蓋を取る。
 それだけで、甘い――毒のような薫りが辺りに広がった。
 蓋を開けたままの瓶を棚に置き、彼は静かに目を閉じる。

 思い出す、意味の無い過去。

 自分と同じ前世を持つ人間に、あまねはまだ出会ったことが無かった。気づいていないだけで、隣人がそうかも知れない。友人が、教師が、同じ過去を持つ人間なのかも知れなかったけれど。
 目に見えない『それ』は、真昼の星のようだと、あまねは思う。

 星がそうであるように、輪契者も『昼』には見えない。
 夜空に浮かぶ星星のような彼らを、繋ぎ、結び。
 星座のように――『英雄』というひとつの形に結ぶのが、『絆』なのではないか、と。

 満天の星を思い浮かべる。

 自分もその星のひとつで、今は見えないけれど、その空には沢山の星があるのだと、自分たちは見えない糸で結ばれているのだと、そう思うことは。
 或いは、他者を輪廻と言う鎖で縛り付ける行為に他ならないのかも知れなかったけれど。

(少なくとも)

 寂しくは、無い。
 そう思うことは、寂しくは無いと。
 そう思えた。

「っと、しまった」

 開け放ったままの瓶から、強い芳香が立ち込めている。慌てて蓋を閉めたが、その強い香りは、すでに辺り一面を占めてしまっていた。嫌いな香りではない。が、自分から立ち上る薫りとしては、少々甘すぎた。

「……残り香みたいだ」

 苦笑して。
 もう一度、怠惰に巣に戻る。
 自分の記憶が確かなら(尤も、それが一番当てにならない指針だったのだが)、今日の講義は午後、それも遅い時間だったはずだ。もう少し寝よう。昨夜は少し――はしゃぎすぎた。運動は、し過ぎるのもよくない。

 染み付いた香りに、身を任せながら、それが、他者の薫りでないことに、安堵と、わずかの寂しさを感じながら。
 あまねは、眠りに落ちた。

***
 PLより:
 あまねが香水を愛用しているかどうか、は微妙なところですが、使わせるとしたらこれ、と、想像しているものは在ります。
 今回はクリスチャン・ディオールの。お土産でミニボトルを貰って、手元にあるんですけれども、蓋を開けるだけで、部屋中香りで一杯になるくらい強い……ので、怖くて使えません(笑)。参考までに
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